ひので菜園SP対談🎤自分の身は自分で守る――職人から農家へ転身。ヒデジイが追求する"本当に安全な野菜"

長年、時計や印刷の世界で仕事に打ち込み、65歳で現役を退いた、ヒデジイこと日出山恒雄さん。第二の人生として選んだのは、「食」を自分の手でつくることでした。
現在は池辺町で、農薬を使わない野菜づくりに取り組んでいます。ものづくりの現場で培った計画性や、細部までこだわる姿勢は、今の農業にも生きているといいます。
なぜ農業だったのか。そして、ヒデジイが考える「本当に安心・安全な野菜」とは――。これまでの歩みと、これからの農園への思いを伺いました。

――まず、農業を始めるまでの経歴を教えてください。
ヒデジイ:
18歳のときに、大手時計メーカーの文字盤製造会社に入りました。そこから20年ほど、時計に関わる仕事を学びました。
その後は5年間、印刷関連会社に勤めて、デザインやレタッチ、印刷について経験しました。そして42歳で起業して、自社ブランドの腕時計のデザイン・製造・販売を担いました。
大手百貨店や専門店で販売したり、テレビショッピングなどにも展開したりして、販売戦略も自分たちで考えました。事業として大きく成長し、年間50億円を売り上げるまでになりました。
15歳くらいから仕事一筋で50年。65歳で業界を引退して年金生活に入りました。
その頃に妻の両親の介護で3年間妻の実家に通いました。私は農業は未経験でしたが、妻の実家が農家だったので少し手伝ったことがあります。


――池辺町で農業を始めた理由は?
ヒデジイ:
過去の仕事を完全に引退して池辺町に移り、年金生活になって時間ができました。「大人の塗り絵」シリーズを10冊以上塗ったり、写真にも興味があったり。色々と趣味になることを模索していました。
そんなとき、友人から休耕している畑を借用することができたんです。広い土地だから一部だけ借りようとしましたが、友人からは「全部好きなように使ってほしい」と。
そこで、「自分で食べる野菜は、自分で作ろう。自分の身は自分で守ろう」と思いました。
将来のことを考えたら、野菜は高価なものになるし、安全ではないかもしれない。安全なものを食べるなら、自分で作った野菜だ。そう思って栽培を始めました。自分が食べるために、趣味から始まったんです。
また、日本の農業が衰退していることも気になっていました。周りを見ても、農薬を使って栽培している畑が多い。だったら、自分は違う方法(無農薬栽培)をやってみよう、と考えました。

――時計や印刷業、職人としての経験は、現在の野菜づくりにどのように生きていますか?
ヒデジイ:
ものづくりには、長期・短期・即日の計画が必要です。何をいつまでにやるのか、順番を考えながら進めていきます。
これは農業でも同じだと思っています。ひので菜園では年間で100種類以上の野菜を扱っていて、旬の野菜を育てながら次のシーズンの野菜の苗を準備していきます。収穫時期もそれぞれ異なるので、細かな計画・管理が必要です。
ただ作ればいいというものではありません。野菜一つひとつに愛情を込めて、計画を立てて育てることが大切です。


――「土壌までこだわる無農薬」にたどり着いた原点は何だったのでしょうか?
ヒデジイ:
日本の畑では、農薬を使った野菜栽培が一般的です。市場では虫食いのない、見た目がきれいな野菜が求められます。
農家も、きれいで安く売れる野菜を作るために、必要以上の農薬を使ってしまうことがあると思います。
虫を駆除するために農薬を土壌に散布したり、作物に散布したりする。そうした栽培方法を見ているうちに、「本当にこれでいいのだろうか」と考えるようになりました。
だからこそ、自分の畑では土から考えたいと思い、最初の3年間は雑草だらけ、石だらけの畑を耕すことに専念しました。
虫もあえて駆除していないので、土の中にたくさんいます。野菜に付いた虫は自分の手で取るか、独自に開発した唐辛子の虫よけ液を撒いています。
農薬に頼らず、自分が安心して食べられる野菜を作りたい。そこが「土壌までこだわる無農薬」につながっています。

――農家として、いちばん嬉しかった出来事は?
ヒデジイ:
通販で別の農家さんの無農薬野菜を食べていた方が、ある日、うちの菜園の野菜を食べて、「味が全然違う」と言ってくれたことですね。
特に印象に残っているのが、野菜嫌いのお子さんです。
最初は「とにかく、うちの野菜を食べてみてほしい」と、少し無理やりにきゅうりを食べていただいたんですが、そのお子さんが「おいしい」と言ってくれたんです。
一本丸ごと食べてくれたので、本当に嬉しかったですね。お母さんもびっくりしていました。
「野菜嫌いの子どもが、ひので菜園の野菜ならモリモリ食べてくれた」。お客さんからそういう声を多くいただき、農家として大きな喜びです。

――収穫体験を始めたきっかけは何ですか?
ヒデジイ:
最初は趣味で始めた農業でしたが、口コミでどんどんお客さんが広がっていきました。お客さん同士が繋がって新たな商売のきっかけになったりもしました。
そうした流れの中で収穫体験の企画を始めました。野菜が苦手な子も、家族と一緒に自分で作った野菜なら食べてくれるだろう、と考えましたが、大正解でした。
また、お子さん達とどうしたら親しくなれるだろうと考え、お子さんが呼びやすそうな「ヒデジイ」というあだ名を付けました。コミュニケーションのきっかけにもなりますし、お子さん達にとって親しみやすい存在になれればと思っています。


――これから、池辺町の菜園をどんな場所にしていきたいですか?
ヒデジイ:
家族で、安全・安心な無農薬野菜の栽培を体験できる菜園にしたいですね。
野菜を育てるところから、収穫して、食べるところまで。家族みんなで体験できれば、食べ物への関心も変わってくると思います。
「自分たちが食べるものを、自分たちで育てる」。
そんな経験ができる場所にしていきたいです。


――最後に、ヒデジイが考える「本当に安心・安全な野菜」とは何でしょうか?
ヒデジイ:
自国で食べる野菜は自国で栽培できるようにしていくこと、そして、土壌をしっかり改良して栽培した野菜が食べられる環境が重要だと思います。
元気な赤ちゃんを産むためには、土台になるお母さんの身体も健康でないといけない。そのためにお母さんは食べるものにも色々と気をつけますよね。野菜も同じで、土台になる土壌が一番大事だと思っています。
そして、農薬を使わない野菜と、農薬を使用した野菜をきちんと区分する。お客さんが「これはどういう野菜なのか」を分かるようにすることも必要です。
農薬使用の表示や規制をもっと厳しくしてほしいですね。無農薬栽培は人件費がかかるので、どうしても価格が割高になりますが、やはりお客さんは安い野菜に惹かれてしまいます。
苦労して虫を手で取って野菜を作っても、農薬を使用した安い野菜に押されてしまい、儲からなくて大変なのも事実です。
それでも私は、食べるものについて「安全・安心」をもっと大切にしたい。
これからも、自分自身が安心して食べられる野菜をつくる。そして、家族や子どもたちにも、安心して食べてもらえる野菜を届けたい。
それが、これからの自分の仕事だと思っています。

ヒデジイからお知らせ📣EM液完成❗

安全・安心で美味しい野菜栽培のため、秋冬野菜から土壌改良をしています。
新農法として、有益な微生物を培養した「EM液」をひので菜園独自の手法で製作出来ました!
秋冬野菜から順次EM液を使用した野菜が出来ます!
ご期待下さい!
編集後記

最後までお読みいただきありがとうございます!
今回は、農業に掛けるヒデジイさんの思いを深く伺ったり、食の安全についてしっかり考えたりする良い機会となりました。
本文には書ききれませんでしたが、ひので菜園スタッフの方のお子さんが幼少期から10年以上ひので菜園の野菜を食べていて、何年も風邪をひいていないというエピソードも伺いました!
皆さまもぜひ、ひので菜園の安心・安全な野菜をお手に取ってみてください!
ヒデジィのひので菜園 直売所
わくわく広場 ららぽーと横浜店
wakuwaku-hiroba.com/shop/ららぽーと横浜/
〒224-0053 神奈川県横浜市都筑区池辺町4035-1 ららぽーと横浜1階
TEL:080-6725-0129
営業時間:平日10:00〜20:00/土日祝10:00~21:00 (定休日 出店施設に準ずる)

この記事書いた人
なつみ(共同編集長)
はじめまして!いけべnavi共同編集長を務めます「なつみ」です。
記事ライティング、写真撮影・加工、ハンドメイド…。すべて下手の横好きなただのへっぽこ多趣味人が、今回ご縁をいただき、いけべnaviを皆さんと一緒にゆるりと楽しく創り上げていければと思います。どうぞよろしくお願いいたします!


